相続税の課税対象となる財産を詳しく解説
相続税の申告と納税を行うためには、課税対象となる財産とならない財産を正しく区別し、純資産額を正確に評価することが求められます。
本記事では、相続税の課税対象となる財産とそうでない財産について解説していきます。
財産の種類
相続税の申告と納税を行うためには、何が相続税の課税対象となる財産なのかを正確に把握することが非常に重要です。
相続財産には、現金や不動産といったプラスの財産だけでなく、借金や未払金といったマイナスの財産も含まれます。
課税対象となるのは、プラスの財産からマイナスの財産を差し引いた純粋な財産額に対してです。
また、死亡保険金のような「みなし相続財産」や、生前贈与された財産も含まれます。
課税対象となる財産とならない財産を正しく区別し、純資産額を正確に評価することが、適正な相続税申告の第1歩です。
相続税の対象となる財産
相続税の対象となる財産には、いくつかの種類があります。
ここでは、主な財産の種類と評価方法などについて解説します。
現金・預貯金
現金は、被相続人が亡くなった時点の手持ちの金額がそのまま相続税評価額となります。
預貯金については、利息を含め、亡くなった日時点の残高が評価額となります。
定期預金や積立預金なども含め、被相続人名義のすべての口座について、銀行などから残高証明書を取得して残高を把握する必要があります。
上場株式
上場株式とは、証券取引所に上場している株式を指します。
上場株式は以下の4つの価格のうち、最も低い金額が相続税の評価額となります。
- 亡くなった日の終値
- 亡くなった月の終値の平均額
- 亡くなった月の前月の終値の平均額
- 亡くなった月の前々月の終値の平均額
この最も低い金額を採用する評価方法を適用することで、株価の急激な変動があった場合でも、相続人にとって有利な評価額を算定することができます。
不動産
不動産は、相続財産の評価において専門的な知識が求められる分野です。
不動産の評価は、土地と建物で評価の手段が異なります。
土地の評価は、原則として国税庁が定める路線価または倍率方式によって評価されます。
この路線価は市場価格の約80%程度とされています。
一方、建物の評価は、市町村が定める固定資産税評価額がそのまま評価額となります。
この評価額は建築費や市場価格の約50%から70%程度と低く設定されているため、現預金よりも相続税評価額が下がりやすい特徴があります。
相続税の対象にならない財産
相続財産のすべてに相続税が課税されるわけではありません。
税法上、特定の目的を持つ財産や、社会的な配慮から設けられた非課税枠内の財産は、相続税の課税対象から除外されます。
課税の対象とならない財産について見ていきましょう。
墓地などの日常礼拝をしているもの
墓地や墓石、仏壇、仏具、神棚といった、日常礼拝の用途に供されている財産は、相続税の課税対象にはなりません。
これは、これらの財産が信仰や祭祀を目的としており、一般の財産とは異なる性質を持つためです。
ただし、骨董品などの純粋な投資目的と判断されるものは対象外です。
非課税枠内の生命保険金
生命保険金は、一般的に相続税の課税対象となることはありません。
これは、生命保険には、一定の非課税枠が設けられているためです。
この生命保険金の非課税枠は、「500万円×法定相続人の数」という計算式で算出されます。
保険金の受取額がこの非課税枠内に収まる場合は、相続税は課税されません。
なお、被相続人が保険料を負担していたことが非課税の要件となります。
また、非課税枠に収まりきらない生命保険金などに関しては、相続税の課税対象となります。
非課税枠内の退職手当金
退職手当金は基本的に相続税の課税対象とはなりません。
これは、弔慰金等を除いた死亡退職金には非課税枠が設けられているためです。
この死亡退職金の非課税枠は、「500万円×法定相続人の数」という計算式で算出されます。
退職金の受取額がこの非課税枠内に収まる場合は、相続税は課税されません。
ただし、非課税枠を超えた額に関しては相続税の課税対象となります。
葬式の費用
葬式にかかった費用は、相続税の課税価格から差し引くことが認められています。
葬式の費用には、通夜や告別式にかかった費用、火葬や埋葬、納骨にかかった費用、読経料やお布施、葬儀社の費用などが含まれます。
ただし、香典返しにかかった費用や、墓地・仏壇の購入費用、初七日などの法要費用は、葬式の費用として相続税の課税価格から差し引くことができません。
まとめ
相続税の課税対象となる財産にはいくつかの種類があり、それぞれ評価法が異なります。
また、相続税の計算においては、課税対象とならない財産を把握しておくことが重要です。
相続税に関して、お困りの際は専門の税理士までご相談ください。
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