不動産の購入は相続税対策になる?
現金や預貯金は、その金額がそのまま相続税の評価額となります。
一方、不動産は評価額の算出方法や特例などがあるため、購入することで相続税対策になる場合があります。
この記事では、不動産がなぜ相続税対策になるのか、そして不動産の相続税評価額の計算方法について解説いたします。
不動産の購入は相続税対策になる?
不動産は、時価よりも低い評価額で計算されるため、不動産を購入することで、相続財産の評価額を減らせます。
特に、賃貸物件として利用することで、評価額をさらに下げられる可能性があります。
ただし、不動産は流動性が低く、現金化しにくいという注意点もあります。
不動産の相続税評価額
不動産の相続税評価額は、国税庁が定めた方法で算出します。
評価方法は土地と建物で異なります。
購入する土地が特殊であるなどすると正確な相続税評価額の算出が複雑になります。
土地の評価方法
土地の評価方法は、主に路線価方式と倍率方式の2種類があります。
どちらが適用されるかは、土地の所在する地域によって異なります。
路線価方式は、主に市街地などの宅地が対象となります。
倍率方式は、郊外や農地など、路線価が定められていない地域で適用されます。
路線価方式
路線価方式は、国税庁が定めた、道路に面する宅地の1平方メートルあたりの価格(路線価)を基に評価する方法です。
路線価は、毎年7月に国税庁が公表し、その年の1月1日から適用されます。
路線価に土地の面積や、形状、奥行き、間口などの要素を考慮した各種補正率をかけて評価額を算出します。
このため、同じ面積の土地でも、形状が悪い土地や不便な土地は評価額が低くなります。
路線価方式の計算式は以下の通りです。
■路線価 × 面積 × 補正率
倍率方式
倍率方式は、路線価が定められていない地域で適用される方法です。
具体的には、固定資産税評価額に国税庁が定めた一定の倍率を乗じることで、相続税評価額を算出します。
固定資産税評価額は、市町村が定めた、その不動産の価値を評価した金額です。
倍率は、国税庁の財産評価基準書で確認できます。
倍率方式の計算式は次の通りです。
■固定資産税評価額 × 倍率
建物の評価方法
建物の評価方法は、土地の評価ほど複雑ではありません。
評価額は、原則として固定資産税評価額をそのまま用います。
固定資産税評価額は、3年に1度見直され、市町村が定めます。
建物を相続した場合は、固定資産税評価証明書を取得することで、評価額を確認できます。
賃貸不動産の評価方法
賃貸不動産は、貸家や貸付事業用宅地として、相続税評価額がさらに引き下げられます。
貸家は、建物の評価額から借家権割合分を控除して評価額を算出します。
借家権割合は全国一律30%、借地権割合は地域により30%〜90%の範囲で定められています。
貸付事業用宅地は、土地の評価額から借地権割合と借家権割合を考慮して減額されるため、相続税の負担を大幅に軽減できます。
賃貸不動産は、入居者がいるため、所有者が自由に利用できないという制限があるため、評価額が引き下げられます。
貸宅地の評価額および貸家建付地の評価額の計算式は以下の通りです。
■貸宅地の評価額 = 自用地の評価額 × (1 - 借地権割合)
■貸家建付地の評価額 = 自用地の評価額 × (1 - 借地権割合 × 借家権割合 × 賃貸割合)
不動産で相続対策をするときの注意点
不動産購入による相続税対策には、いくつかの注意点があります。
まず、不動産は流動性が低く、現金化に時間がかかることです。
相続税は現金で納付しなければならないため、納税資金が不足する可能性があります。
次に、売却するタイミングによっては、希望価格で売れないリスクがあります。
不動産の維持管理費用や、固定資産税などのランニングコストも考慮しなければなりません。
まとめ
不動産を現金で購入することは、相続税対策として有効な場合があります。
不動産の相続税評価額は、時価とは異なり、国税庁が定めた方法で計算されます。
土地は路線価方式と倍率方式、建物は固定資産税評価額を基に評価されます。
特に、賃貸不動産は、評価額がさらに引き下げられるため、大きな節税効果が期待できます。
しかし、不動産の購入には、流動性の問題や、維持管理費用がかかることなど、注意点も存在します。
不動産購入による相続税対策をお考えの際は、税理士にご相談ください。
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